地産地消という言葉
今でこそいろいろなところで耳にするようになった言葉ですが、ジェノバではそんな言葉はありません。
毎日が地産地消。
ジェノバの人は毎日食堂へ行き、ジェノベーゼを当たり前のように食べる。
料理修行中、ジェノバの山奥にある食堂で『Genoveseをください』と言ったところ不思議な顔をされました。
それもそのはず。
“Genovese”とは「ジェノバ人の」という意味があり、もちろんそんなメニューはありません。
そしてその料理を一口食べたとき、後頭部をハンマーで砕かれたかのような衝撃が走りました。
「今まで自分が作ってきた緑色をしたソースは一体何だったのか…」
それくらい見た目、香り、食感全てが違いました。
特にジェノベーゼにこだわりを持っていたわけでもなければ好きだったわけでもないのに、気がついたら店主に「働かせてほしい」と直談判をしていました。
そして1年を通して作り続け、私にとって特別な料理になりました。
“Pes.(ペス)”ではコースの一皿に必ずこの“Pesto”を使った料理が入っています。
どこに出てくるかはその時の気分次第。
そこもぜひお愉しみください。